2013年7月24日水曜日

ルーピンの収穫 ⇒ クラスター根!!

みなさま こんにちは。

さて、先週宣言した通り、
ルーピンの収穫 
⇒ 土壌試料と植物体(ルーピンの茎・葉・根)の採取を行いました。

2か月かけて育ったルーピンは最終的に下の様になっていました。


根がびっしりとはっています(ひつこいようですが…)。

そして、箱の真ん中の上の方、
根が一番張っているところが白く見えるかと思いますが、
これ、実際に白いんです。

根が水分を吸った結果、
根の周りの土壌が乾燥し、
その結果、白く見えています。

最終的に、この根箱には水を40mlほど与えていました。
前日の夜に水をあげたのち、
次の日の朝にみるとこんな感じになっていました。
根、がんばってんですね(収穫しちゃったけど…)。

まずは、こんな感じで根をがっつりととり、
下の写真で見える、根の周りの根圏土壌を採取しました。


この根の周りの、軽く手でふるい落としても簡単には落ちない、
根にこびりついている土壌が根圏土壌だといわれています。

根の周りの土壌のうち、
簡単に落ちる土壌をどんどんと落としながら、
根にひつこく(?)こびりついている土壌を
根圏土壌として採取しました。

そしてそして、この大きな根系以外の、
土壌中に埋もれている根の周りの根圏土壌も
引き続き採取しつつ、
その後、根のサンプル自体も採取していた過程で、
とうとう発見しました!

『クラスター根』(らしきもの)です!!


この根の変な形、わかりますか?
しばしば『ブラシ状』と形容される、
クラスター根。
初めて実物を(自分の試料として、ですが)見て感動しました。

土を取り除くとこんな感じです。


どれも、真ん中らへんがブラシ状の、細い短い根が、
まさにブラシの様にわしゃわしゃっと伸びています。

このクラスター根の周辺で特に難溶性リンが可給化している、
とのことです(先行研究によると)。

最終的に、
大きな根の形状は下の様になりました。


前にも書いた気がしますが、
クラスター根は主根ではなく、
側根に出来るらしいです。
確かに、クラスター根は根箱の真ん中より下の方
(すなわち地上部よりも遠い側根)で、
多く見つかった気がします。

この根箱には大体800gほどの土壌が入っていたのですが、
根圏土壌として採取できたのは、
1つの根箱につき、6~8g程でした。

すんごい少ないですよね。

この根圏土壌とともに、
非根圏土壌として、
根圏ではない部分の土壌を採取するとともに、
植物体試料(根・茎・葉)を採取しました。

今後は植物体を乾燥させて重さを測ったのち、
ルーピンが吸収した炭素・窒素・リン量を測定するとともに、
根圏・非根圏土壌の化学分析に移りたいと思います。

またぼちぼちと結果が出たら報告したいと思います。
乞うご期待を!

あと、以前コメント欄に質問がありました、
海外土壌の輸入に関してです。

日本で海外の土壌を用いて実験をしたい、
さらには栽培実験をしたい、
という場合には、それぞれ特別な手続きを取る必要があります。
(とくに栽培実験をしたい、という場合にはその手続きは大変なようです)

海外の土壌を用いた研究を行う機会が多いために、
上述の手続きを取って、
海外から日本に土壌を輸入しています。

今回助成していただいているような研究テーマの場合、
海外でのルーピン栽培を行うことを予定しています。

しかし今回も、
現地で栽培実験を行ったうえで、土壌試料を採取し、
この土壌試料を国内へ持ち帰ることを予定しているため、
きちんと輸入手続きを行う予定です。

みなさん、
気軽に海外の土壌を持ち帰ってはいけませんよ!!
検疫所でひどく怒られますからね・・・。

それではまた。
失礼します。

杉原

2013年7月20日土曜日

ルーピン栽培 とうとう2か月

皆様

こんにちは。
先日まで、別の研究内容でカメルーンの方へ調査に行っていました(詳細は後程)。

そのため、しばらくルーピンを見ることができませんでした。
その間も学生が面倒を(というよりは基本的にず~っとその学生が面倒を見ているのですが・・・)
見てくれていました。

で、とうとう栽培開始から2か月がたちました。
長かったような、あっというまだったような。

それが下の写真になります。


前に投稿したものと比べて、
この2週間ほどで、うわもの(茎や葉)は結構大きくなっているのが見て取れます。

そして気になる根の方は・・・

こんな感じで、パッと見では根の量が劇的に増加したかどうかはわかりません。
が、箱の全体にきちんと根がいきわたっています。

そしてまた、下の写真は右下を拡大したものですが、
細い根の量が多い(ように見える)ことがわかります。


この細い根の周りの土壌(根圏土壌と呼びます)を採取する日が待ち遠しいです。

また、前回の投稿では、
どうも植物体の生育が、聞いていたよりは遅い(あるいは悪い?)、
という話をしていました。

で、4つ根箱を栽培していたうち、
2つに窒素肥料を施用したのですが、
本日研究室に行ってみてみたところ、
4つとも同じくらいに成長はしていて、
窒素肥料をあげたから、
という違いはパッと見には見ることはできませんでした。

どうしたものか・・・

この根箱とは別に、
温室でポットを使って育てているルーピンは、
窒素肥料等をあげていなくても、
かなり大きく伸びています(また次回、写真をUPしたいと思います)。

やはり根箱の大きさに生育が制限されているのか・・・?
あるいはグロスチャンバーという生育環境(冷蔵庫のような中で人口の光を当てて育てている)に原因があるのか、
このどちらかのようです。

というわけで、来週以降は、
少し名残り惜しくもありますが、
実際にこのルーピンを収穫(というかサンプルとして採取)します。

ここまで頑張って育ててきたルーピン、サヨナラです(笑)。

地上部(茎や葉)と地下部(根)、
根圏土壌とそれ以外部位の土壌を採取し、
ルーピンがどれくらいリンを吸っているのか、
そして土壌中のどのような形態のリンを吸っているのか?

ということを調べる実験に移りたいと思います。

引き続き報告したいと思いますので、
乞うご期待を!!


そして以下は余談(かつ唐突)にはなりますが、
カメルーンで食べたある夕食を紹介します。


魚の焼いたものと、キャッサバ(正確にはキャッサバで作られたマニョック(手前の白い棒状の練り物のようなもの))です。

このキャッサバは、カメルーン人にとっての主食の1つで、
我々日本人にとっての白米に相当します。

この日食べた魚はサバ(のようなもの)でした。
他にもスズキ(のようなもの)もあります。

美味です。

カメルーンは海に面しており、また流通経路も発達しているせいか、
国内の大部分で、このような焼き魚を食べることができます。

今までに調査で訪れた、
タンザニアやニジェールでは、
この種の旨いものにありつけることはなかったため、
初めてカメルーンを訪れて
この焼き魚を見たときの衝撃(とともに食べた時の感激)は、
言葉にできません。

話し出すと長くなりますが、
アフリカの基本的な味付けは
油とトマトと唐辛子で行われており
(完全に僕の主観ですのであしからず)、
焼き魚、のようなあっさりしたおかずが出ることは稀です。
出汁のうまみを感じることも皆無です。

だからこそこの焼き魚に感動するのですが・・・

でもきっと伝わらないんでしょうねぇ、この熱い思いは。。。

一方のキャッサバの方は、
食感は、お餅の粘性をゆるくした感じで、
独特の匂い(発酵臭)がします(それは加工の方法に理由があります)。
味の方は・・・好みが分かれると思います(笑)

もしもキャッサバに興味がある方は、
このHPを参照していただければ、
キャッサバの栽培の様子や、
その加工方法などが、
わかりやすく説明されています。

そこで本題になりますが、
今現在、私がカメルーンでしている仕事は、ともに、
所属研究室で採択されている、

科研Sの課題である

の内容と、

JST/JICA SATREPS の課題である

の内容に関連しています。

具体的な研究内容は、また別の機会に、と思いますが(こちらのHPもご参照ください)、
大きな目的(方向性)としては、どちらも、

『どうすれば、自然を損なうことなく、持続的に農業(生業)を営んでいけるのか?』

ということを考えるための課題である、と個人的には考えています。
(あくまでも下っ端の私個人の考えですのであしからず)

私が今回訪れた、
中央アフリカに位置するカメルーンの南部には、
生物多様性や気候変動の観点から極めて重要だといわれている、
アフリカ熱帯林が広がっていますが、
そこでは狩猟採集を生業とする人々や、
焼畑農業(主にキャッサバを栽培しています)を生業とする人々が、
森の豊かさに依存して生活しています。

しかしあらためて、

『森の豊かさ』

という言葉は、極めて漠然とした言葉です。。。

それ(豊かさ)って具体的に何なん??

と思われると思いますし、それはその通りです。

でも、これを1つ1つ具体的な言葉にしてしまうと、
全てを表現するのにはそれこそ言葉を尽くしても足りませんし、
きっと表現しきれない、でもやはり大切なものが残る気がします。

でもその一方で、
それを恐れてなかなか、これ!と1つに絞ることができないのも、
人としてもどかしさが残ります(あくまで私個人の想いです)。

で、
この『豊かさ』というものに関して、
研究を通して数値化・具現化することで、
具体的にこういう豊かさがあるんだよ、

と、目に見える形で提示できるのが、
私がしている土壌学(あるいは研究全般かもしれませんが?)の
強みだと思っています。

なぜならば、その森を育んでいるのは、

『土壌』

なのですから!!

ぃよぉぉぉっ!!
すごいぞ、土壌学!!

なんつって・・・。

少し偉そうになってきたので、
(そして長くもなってきたので)
今日はこの辺りでやめておきたいと思います。

また色々とこのような情報(というか雑談なのか?)も発信したいと思っておりますので、
これからもこりずにお付き合いください。


それでは。


杉原